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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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「安倍靖国参拝」に、米国はなぜ失望したか

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昨日はロシアの外交通の方からお話をききました。

それとは違う意見がかなりありますが、

なるほどね、と思うところもあるので、

紹介します。

最近勉強すれば、するほど、

日本は危機だなあと感じます。

「安倍靖国参拝」に、米国はなぜ失望したか

東洋経済オンライン 1月28日(火)8時0分配信

 昨年12月に実行した安倍首相の靖国参拝は、今なお国際社会の注目テーマとなっている。この靖国参拝は、今後の日米関係にどのような影響を及ぼすのか。米国の有力シンクタンクCSISパシフィック・フォーラム事務局長を務め、日米関係のスペシャリストである、ブラッド・グロサーマン氏に聞いた。

■米国は微妙な境界線上を歩いている。

 ――安倍首相の靖国参拝に対する米国政府の対応は適切だと思いますか。

 ええ、「失望した」という表現は適切だった。当初の表現からは薄められていると聞いている。それに駐日大使館と国務省の声明だけにとどまるのかどうか。「失望」というのは強い言葉だ。おそらく米国政府の率直な反応は、いらだち、怒り、欲求不満といったところだが、そういう表現は外交的にまずいと判断したのだろう。

 靖国参拝は米国の東アジア戦略を混乱させることは確かだ。いろいろな点で米国の意に反している。米政府は米国の不快、幻滅をはっきり言う必要がある。同時に日米関係に亀裂が生じないように注意しなければならない。そういう事態はほかの政府に簡単に利用されてしまう。

 具体的には、中国の台頭への適切な対応をめぐって、米国と日本との間で分裂が起こることが、戦略上、いちばん厄介な問題だ。中国は米政府と日本政府の間になんとかクサビを探ろうとし、また、クサビを作ろうとしている。さらに、そのクサビをのっぴきならぬものにしようとしている。

 つまり、米国は微妙な境界線上を歩いていることになる。日米関係にはさらに予期せぬ副産物が生じるかもしれない。たとえば、オバマ大統領が4月に予定している訪日が短縮されることもありうる。

 ――靖国参拝が予想外だったので、米政府は慌てて反応したのか、それとも熟慮したものだったか。

 安倍首相の靖国参拝は誰もが予期しなかったわけではない。いくつか兆候はあった。たとえば、昨年10月、彼の特別顧問の萩生田光一議員が参拝している。安倍首相が参拝に強い気持ちを抱いていることはオープンにされており、7年前の第1期安倍政権時に参拝しなかったことを痛恨の極みと言っていた。参拝は現実的な可能性として米政府は考えていたはずだ。そのタイミングがサプライズだったのは、自民党幹事長や連立与党の公明党党首が不意打ちを食らったことだろう。彼らに知らされたのは安倍首相が靖国に向かう車の中からだったという。

 米政府にも事前には知らせなかったというのは、起こりうる可能性のある反動をいかに小さくするかという安倍首相一流の作戦だったのだろう。

■「米国は黙認」という考えは妄想だ

 ――そのタイミングは沖縄問題および米軍海兵隊基地移転の交渉進展に合わせたものだと思いますか。

 それが確かなことかどうかはわからないが、安倍首相が沖縄問題の進展を計算に入れていたという報告はあった。米政府は沖縄問題の進展を歓迎し、安倍首相の靖国参拝を大目に見てくれるのではないかと。

 安倍首相はそういう計算をしたかもしれない。しかし、それは米政府の見解を正確に読んでいるとは言えない。靖国参拝は米国の意に明らかに反する。しかも、米国はそのことを追及すべきではないし、外交政策として“取引材料になるような”ことを追及していると見られるのもよくない。安倍首相が靖国参拝を考えていることについて、米国は「ウインクしてOKした」という寛大な態度をとった、という可能性はゼロだ。

 米国人の選好がどういうものかということは、昨年10月にはっきりと示されている。ケリー国務長官とヘイグ国防長官が一緒に参拝したのは靖国神社ではなく、千鳥が淵墓苑(第2次世界大戦時の無名戦没者が祀られている)だった。そのことにこそ、米国人が戦没者に抱いている気持ちを正しい認識として示している。

安倍政権の靖国参拝は、米国から黙認されたものと考えるのは妄想であり、希望的観測にすぎない。

 一方、安倍首相が沖縄・普天間処理などで政治的得点を上げ、米国としては日本側の多少の不満を飲まざるをえないという計算はありうるだろう。

――安倍首相の靖国参拝はなぜ米国の意に反しているのか。

 それは日本との共同作業や、安全保障政策で日本を受け入れたり、日本の発言力を高めたりする努力を台なしにしてしまうからだ。現に、靖国参拝は日本にとって最も重要な同盟国の米国と、中国、韓国を怒らせてしまった。日本は中韓とは最終的に協力しなければならない。日中韓3国間のいかなる形の協力も、東アジアにおいては安定をもたらすものと米国は信じている。その安定を靖国参拝は問題含みにしてしまうのだ。

 安倍首相の靖国参拝は米韓、米中の2国間関係にも混乱をもたらす。たとえば、ヘーゲル国防長官が韓国の朴槿恵首相と会談したとき、彼女は非常に熱心に日本についての苦情を述べていたという。訪中した米国高官は日本人の行動についての不平不満を何度も聞かされている。

 これは日中韓3国間の協力関係を強化し、東アジアにおける日本の安全保障を強化するなど、米国が追求する戦略的目標を実現するのには障害になる。靖国参拝をめぐる論争は日本の安全保障上の役割を強化しようという、日本国内のコンセンサスを損ないかねない。

 日本の国際社会における平和的な役割は、1945年以来、模範的であった。安倍首相やそのほかの首相の誰でもがその立派な記録の上に、安全保障上の役割を強化しようとするのであれば、米国の支持を獲得することができよう。しかし、安倍首相は日本の戦時レジームを何とか復権させようとしている。それは戦後の称賛すべき成果を基礎にした安全保障上の役割強化というビジョンをあいまいにさせるものであり、国内コンセンサスを揺るがすことになる。

 ――戦時レジームの“復権”とはどういう意味ですか。

 安倍首相は東京裁判(極東国際軍事裁判)判決や憲法など、戦後秩序の見直しに狙いを定めている。米国はその裁判に多大の責任を負い、憲法にも特大の役割を担ってきた。そのため安倍首相の挑戦は日米関係を政治化させることになる。それは日米関係および安全

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