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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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教職員研修:小学校英語活動(視察日平成19年11月2日)

視察・研修報告 |

教職員研修:小学校英語活動(視察日平成19年11月2日)

教職員研修:小学校英語活動を視察しました。

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教育センターで行われた教職員研修会にお邪魔してきました。

今回の講師は、東京都杉並区立和泉小学校で英語科嘱託教員(JET)をしておられる金野日和先生でした。

和泉小学校では、2005年度より英語教育研究指定校として、1年生から6年生まで一斉に英語教育を開始し、3年計画で系統だった継続的な授業を研究・
実践中とのこと。

講演の導入では、台湾(英語科専任教師を全校に配置)や韓国(クラス担任が英語教科を指導)
の小学校英語教育の取り組みについて触れられ、それらを参考にTT(チームティーチング)をしている日本の現状や、
現段階における日本の英語教育の問題点について説明してくださった。

次に、和泉小学校の取り組みで、まず力を入れるのは、英語のインプットであるとのこと。限られた授業時間で子供達に少しでも英語に触れてもらうために、
30分の授業時間を15分ずつに分けて週2回の授業にしたり、校内掲示物学校放送などの中に英語を取り入れる、といった取り組みを紹介いただいた。

また、インプット学習の中で一番ユニークな活動は、歌とダンスで英語を覚えるという取り組みである。歌の1番の中に12の簡単な会話文を入れた教材を使い、
踊りながら歌って英語を体で覚えようというのだ。歌であるから幼い低学年の児童でもかなり速いスピードで覚えてしまう。歌は8番まであり、
全てをマスターすると96の英語表現を使えることになる。

そして、歌をマスターした中学年では、歌のリズムをとってしまい、覚えた表現を使い会話の練習をする。ここで大切なことは、
相手の目をしっかり見て話すことや歌と同時にダンスで覚えたゼスチャーも取り入れること。そうしたことが照れなくできるところに、
小学校段階で英語活動をする大きな意義があるとのこと。

さらに高学年では、覚えた96の表現を使い自分達で簡単な脚本を作って劇をしたり、
AETの先生にフリートークで話しかけるといった活動をするとのこと。

そのほかにも毎回の授業は英語日直が英語ではじめ、
英語で締めくくるといった活動や、絵本活動で英語に触れるといった活動も紹介いただいた。

まとめとして金野さん曰く、小学校英語成功の3つのポイントは、①行政や学校の管理職が連携してしっかりしたカリキュラムをつくること、②良い教材を選ぶこと、③指導者の研修をしっかり行うこと

会場には60人ほどの先生が集まっておられたが、管理職を含むもっともっと多くの先生方に聞いていただきたい内容であった。

 

神谷コメント

今後、小学校英語教育が始まるが、上からの指示で無理やり始めた活動では、成果も上がらないと考える。やる以上は、
積極的かつ効果的に行ってもらいたい。それには、金野さんのおっしゃるようにカリキュラム策定がもっとも大切であろう。また、
人材育成もかかせないと考える。これらのことを担任をもっていらっしゃる小学校の先生方に全て任せるのはいかがなものか。
授業も学校行事もこなしながらさらに英語活動も現場の先生方に全てお願いするには無理があるのではないかと考える。

杉並区は金野さんのような方を別予算を組んで配置し、カリキュラムの土台を作っているのである。吹田では、
担任などをもつ先生方が他の仕事と併行にカリキュラム作りをし、別のところでAETの数だけが増やされようとしている。
吹田は吹田で一生懸命取組んでいる英語活動だが、現場の先生方の負担が余りにも大きく、効率が悪いのではないかと考える。

そうなるとお金と人の使い方の問題であるから行政の課題ではないかと、私は考えるが、皆さんはどのようにお考えか、
是非今後多くの方と意見交換がしたい。

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