日々の活動やニュースに対する考え、視察の報告などをブログにまとめています。

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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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GTS カンボジア研修 二日目

ブログ |

今日は三つの班に別れ、

農業、教育、貧困をテーマにそれぞれ研修を行いました。

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私の班は教育です。

朝からアンコール大学を借りてお二人のレクチャーをお聞きしました。

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最初はJICA教育政策ボランティアの中野氏から。

カンボジアを報道するメディアもあるが、結論ありきのものが多い。みなさんには現場をみて欲しい。

カンボジアの進学率は上がってきて、人気のある学校は、生徒数が5000人を超える過密さ。

国のカリキュラムはまだ充実しておらず、各校長の裁量がでかい。校長の能力で学校のレベルがかわる。

先生の人材育成に力をいれているが、、まだまだ人材不足。
読み書きそろばんは指導できるが、情操教育はなかなか難しい。

25歳以下の人口が半分でこれから伸びる国だが、援助づけて誇りが失われている。

義務教育は小中だが、中学校が足りない。学校は個人の寄付で建つ、自治体が建てるのではない。

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二人目はアンコール大学教授の松岡氏。

最初にカンボジア人に教育をしてわかったこと。彼らに勉強する習慣がなかった。時間を守らない。

まだまだ社会格差、意識格差があり就学率が低い。

2009年時点の就学率
小学91.9% 卒業率約50%
中学21.1% 卒業率約20%
高校9.3% 卒業率約10%
大学1.4% 卒業率約6%

その他の問題
貧しくて文具も買えない。

校舎が十分なく午前、午後の二部制のため、しっかり勉強できない。

地方では教員の質が低く、保護者も教育に期待していない。

電気がないので、暑過ぎて集中できない。

トイレがないので思春期の学生は学校にいくのが辛い。

など課題をあげ、
独自に開発されたすごろくを使った教育法の説明をして下さいました。

さらに松岡氏は、カンボジア人のメンタル面にも問題があると感じています。

そこで、
若い学生には妥協しない気持ちが大事、と教え、

国情を理解し、教育をしっかり受け国の未来を考えないと、今後カンボジアが経済的な植民地になると警鐘を鳴らしているとのことでした。

熱のこもったスピーチに感動しました。

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アンコール大学を後にし、お昼はフランスのNGOが運営する職業訓練学校が運営するレストランでランチ。

貧困や人身売買の根絶のために10年前に始まったビジネスです。

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午後は孤児院を視察しました。

カンボジアは1400万人ほどいる人口の77%が貧困層。一日2ドルほどの所得です。よって貧しくて子供を養育できない人がたくさんいます。

孤児院がたくさんできてきていますが、その運営も厳しいとのお話でした。

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レクチャーの後は勉強部屋で子供たちとかるたを作ったり、お絵描きをしたりしました。

厳しい状況の中でも子供たちは笑顔が素敵で、心が荒んでいないことを感じられたのが救いになりました。

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ホテルに戻り食事を済ませたら、全体で集まって、一日の活動を振り返るワークショップ。

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印象に残ったことやカンボジアの社会問題などをシェアしました。

交通基盤やインフラの未整備
地域格差
貧困
ゴミ山の近くに住まねばならない環境
教育に対する意識の低さ
教育システムの未整備

などなどたくさんの学びや気づきを頂きました。

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各班で発表もし、

問題の改善のための意見出しもしました。

久しぶりに貧しい国の現場を肌で感じた一日でした。

知っているのと心で感じるのは違います。

良い研修になりました。

明日も頑張ります。

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