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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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龍馬プロジェクト メルマガのすすめ

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メンバーが交代で、自分の政治への思いや、国民への呼びかけを書いており、

カンパの形でお金をはらって頂く方法で、広く浅く沢山の方に活動を支援して頂くのがねらいです。

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私は海外にいるメンバーからの報告がきにいっています。

多くの方に読んで頂きたいので、許可を得て一部転載します。

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| 【シリーズ】「世界の中の日本」vol.6
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台湾にきてもうすぐ3年になる。

一度国を出て外から祖国日本を見てみるというのは、
仕事や学業で地方から都会に出てきた人が故郷を見る目と似たようなものなのかもしれない。
そんな視点から見ると、日本は、人の生活スタイル、都市インフラなど多くの点で洗練されている一方、
それは厳しい規律及び高い規範意識により保たれているのだろうと思う。
このような評価は、台湾人が想像する日本の姿とも一致する。

 昨今、日本ではモラルの崩壊が言われて久しいが、それでも台湾から見ると
日本人のモラルはまだ非常に高いといえることは、日本にいてはなかなか気付かない点の一つだろう。
いずれにしても、台湾人にとって日本はまだ「憧れの国」であるのは間違いないのだが、問題なのは、憧れの中身が変わってきていることだ。
私より一世代、二世代前の台湾人の方に話を聞くと、日本のイメージは「技術先進国」「高品質」「勤勉」というものが圧倒的に多い。

しかし、前に述べたように、今の若い台湾人がもつ日本のイメージはだいぶ変わってきている。
私が大学で教えている学生に「なぜ日本語を学ぶのか」という質問をすると「文化」「芸能」「マンガ」「ゲーム」などに興味があるから
という回答がほとんどであり「仕事のため」と答える学生はほとんどいない。
大学の台湾人の同僚に話を聞くと、昔はほとんどが「仕事のため」というのが日本語を学ぶ理由であったという。
確かに、台湾はすでに世界有数のIT技術を持つ国であり、世界最大手の半導体企業(TSMC)などもある。

またOEMの下請け企業だったパソコンメーカーのAcerやAsusなどは、自社ブランドを確立し、すでに日本市場でも評価をされている。
何が言いたいのかというと、台湾ではコンシューマーではなく、企業同士という面でみると日本の「技術力」や「高品質」は
武器にならない、台湾人(台湾企業)にとって、もう日本は「憧れではない」ということなのである。
日本人に、このような話をすると「大袈裟だ」「日本の技術力は世界一だ」などという人が圧倒的に多い。
しかし私はこのような自惚れ、危機感のなさこそが、今の日本の危機だと思う。

例えば、中国製の冷蔵庫を例に見ると、多くの日本人は「中国製=品質が悪い」という判断をする。
しかし、この冷蔵庫の製造は確かに中国メーカーで中国人が行っているが、製造を管理し中国人を指導教育しているのは
定年した日本人技術者だと知らせると、日本人の中国製製品への評価は一変する。
過去の栄光に胡坐をかき、相手の実力を客観的に分析判断できないことが、今の日本の危機の一つなのではないだろうか。

私の知り合いに、すでに定年した60歳後半になるナノテクノロジーの研究者の方がいる。
この方は、台湾の企業の技術顧問として2週間ごとに日本と台湾を行き来している。
定年したとはいえナノテクの分野では一線級の研究者であった方が、台湾で生き生きと働いている。
このような「智の流出」に対する危機感をもっと日本人が持たなければ、日本の武器であった「技術力」「高品質」は、
次第に追いつかれ抜かれてしまうだろう。いうなれば「日本の敵は日本人」なのである。

この「智の流出」を止め、「眠れる智を活用する」という環境を早急に整備しなければ、
日本は「カルチャー大国」としてのみ存在する国になってしまうかもしれない。
最近IMFが発表した資料によると、台湾の今年の一人当たりの購買力平価(PPP)ベースにおける国内総生産(GDP)は、初めて日本を上回る。

これは一つの数字でしかないが、少なくとも私の実感では、台湾にとって日本は、
すでに「模範とする先生」ではなく「追い抜くべきライバル」というのが実態だろう。

国立台湾大学法律学院 博士課程 野崎 孝男

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