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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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第7回 関西龍馬塾  文責:平 充宏(立志政経舎)

スタッフブログ |

第7回 関西龍馬塾  文責:平 充宏(立志政経舎

7月19日に、第7回関西龍馬塾が開かれ、講師に元プロテニスプレイヤーの杉山愛選手の母親である

杉山芙沙子氏を迎えた勉強会が開かれました。

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・子育ての現状

杉山芙沙子氏はスポーツを通した教育をテーマにお話しされました。研究で注目されたことが、

「一流アスリートが幼少期でどのような育ち方をしたか?」ということでした。

その中で石川遼、杉山愛、錦織圭、宮里藍の4選手(敬称略)に共通する要素として4点挙げられ、

1点目として、数多くのスポーツに触れるということ、

2点目として外遊びをする、大人数で遊ぶ、スポーツ以外の習い事をするということ、

3点目として幼少期から自分の意思を話すことを心がけられて育ったということ、

そして4点目として継続することを習慣化するということでした。

また何よりも、親が子に対して愛情を持って接しているという共通項があり、愛情があると言っても、

適度な距離感を保つということが重要と話されていました。

一方で、子育ての現状として、上に挙げた4点が子育てにおいて軽視されているのではないか、と感じます。

実際、体力分布にしてもプロを目指す子どもとそうでない子供で二極化しているとお話の中にありましたし、

他にも外遊びやスポーツの軽視、生活環境の変化、生活習慣の乱れ等が原因となって子どもの運動離れが

叫ばれているとのことでした。

子育てを取り巻く環境を考えてみますと、子供たちが家の中で遊べるものが増え、そと遊びをしなくても

楽しく過ごせるということ、夫婦共働きの家庭であると、親と子の触れ合う時間が短くなり、

コミュニケーションをとる時間も限られるため、上に挙げた、3点目の自分の意思を話す時間が少ないと思われます。

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・杉山芙沙子氏が提唱する教育

スポーツをすることによって人間力が備わった人に育てるということを目標とされていました。

ここでいう人間力とは、身体体力、精神体力、知的体力の3つの体力をさします。特に2つ目の精神体力は、

忍耐力や、コミュニケーション力、規則に対して従う姿勢などをさし、3つ目の知的体力はとっさの判断力や、

自ら考える力をさします。これらの力を育てるべく、幼稚園、保育園や小学校にてスポーツ教育を導入しようと

話されていました。スポーツ教育といっても球技だけでなく基本的な、体を動かすようなプログラムも組むそうです。

ただ、この様なスポーツ教育プログラムを導入するにも、学校側の施設の充実や、

教える先生に対するトレーニングも必要であり、杉山芙沙子氏も導入に合わせて重要なこととおっしゃっていました。

また体を動かすことをあまり得意としない子どもがモチベーションを保つためのケア等も忘れてはならず、

子どもがいつも楽しく向き合えるかについて以降も考えていきたいと思いました。

・「当たり前」なものの変化

スポーツ教育と合わせて思ったことが、「当たり前」とは何だろうか、ということでした。

ここでは子育ての事と合わせて考えていきたいと思います。

神谷議員が締めの言葉で、「講演内容は至って当たり前と感じることであったのに、講演会をこうして開いている、

ということは当たり前のことができていない」と話されていました。

確かに、スポーツ教育を通して、身体体力、精神体力、知的体力の向上を図るということは、明治維新での、

富国強兵を背景にした教育において、強い子供を作る事が国益につながるとして重視されていたはずでした。

現状においては受験勉強において優位に立つための知識詰め込み型授業が展開されている。

学校だけでは足りないと、塾や予備校に通う。このような体験を中学高校で私もしてきました。

しかしそれ以上に名門中学校に通わせようと小学校中学年、早ければ低学年から塾に通わせるようなこともあります。

このような子育てが一方で一般的になっている中、講演会の内容が果たして当たり前のことと多くの人に言えるのか、

という疑問が生じました。

現在大学では法学部に所属しているので、講義中にも、現状の社会に見合わない法律や解釈には修正が

加えられるという話は多々聞きます。立法当初は社会に適合していると考えても、

現在の社会には当てはまらない要素があるということです。

そうなったときに、法律に対する解釈は変えられるか修正を加えられ、以前多数説であった解釈を

唱える人も少なくなります。これと同じように、子育ての基本が強い子供を育てることよりも、将来より良い就職が

できるような勉強を第一とする風潮が出来上がったように思えます。

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杉山芙沙子氏が提唱する、3つの体力を伸ばす教育を誰もが必要だと分かって言わないだけなのか、

それとも当たり前のことという意識がないのか。私は後者だと考えます。

当たり前と思っているならカリキュラムに反映されているはずですし、

反映されていないのなら多くの人が当たり前のことができていないと批判するでしょう。

しかし現実はそうではない。

だからこそ、杉山芙沙子氏の講演会の内容を当たり前と思えるだけでなく、聞いていない人たちに対しても伝えていく、

広めていくということが大事でると思います。そして結果として、多くの人が当たり前と思えて、

当たり前のことができていない現状に対して声をあげることができるような状態にもっていく、

つまりは以前当たり前と思われていたことをまた当たり前のことにする、ということが求められているように感じました。

文責:平 充宏(立志政経舎

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