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「親学」講演会に参加して 文責:田中竜彦

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「親学」講演会に参加して 文責:田中竜彦(神谷インターン9期生)

開催日:平成24年2月16日

大阪府議会会館にて、親学推進議員連盟・大阪連盟議員を対象とした「親学」についての講演を聞かせていいただきました。講師は、明星大学教授の高橋史朗さんです。

高橋さんは、子供を取り巻く環境の変化を危惧しておられ、脳科学や生命科学という最先端の科学の研究実績を教育にとりいれておられます。

講演のテーマは「親学の最新動向と教育基本条例について」でした。

親学写真02.jpeg

まず、親学とは子供を育てるとき、親が子に一方的に与えるのではなく子育てを通して大きな喜びや、人間として成長できるということを知る機会を作ったり、アドバイザーさんを通して伝えていく活動をされています。その基本にあることは、

・子供をしっかり抱いて、持ち上げて、ゆっくり降ろして歩かせる。

という慈愛(アクセル)と義愛(ブレーキ)をうまくバランスをとって育てるというものです。また、教育を受ける子供に必要な安心感を持たせる為に「絆・つながり」という言葉を用い、

・家族との絆

・地域との絆

・教師との絆

が教育に大きな影響を及ぼし、日本ではこれらのつながりが比較的強い福井や秋田が教育水準で毎年トップだということを教えて頂きました。

私が講演を聞いて驚いたのは、過去に欧米の教育も日本が現在直面しているゆとり教育問題や学力低下・クラス崩壊問題を経験していたということです。その大きな要因は戦後の武装解除、二度と戦争を起こさないようにと、子供主義の自由すぎる教育をしたことがあるそうです。そして、教育の水準をとりもどすために見本となったのが、皮肉にも日本の教育制度だったということです。制服を着て授業を受けることも集団意識を養うために有効な手段です。

また、ほとんどの日本人が知らないことで、欧米では親が子供への教育義務を放棄した場合、罰則や罰金が当たり前で親の教育の責任を厳しく問うということです。日本では経済的理由があるかもしれませんが、赤ちゃんポストが利用されます。校外で起きた事件も学校や教師の監督責任と問うなど、欧米とは対照的です。

教育基本条例案の10条で初めて「親の責任」が記述されたことは大変意義のあることだという話もされました。そして第二項の、「家庭教育を支援するために必要な施策をしていかなければならない。」という当たり前のようなことが一番大事だということです。これには、政治が教育に介入してはならない、親を責めることになるなどといった反論があるあるそうですが、私は学校での教育が全てではないと思いますし、学校に責任を押し付けるのは親の役割を果たしていないのではないか、と思いました。

昨今の子供による凶悪犯罪は、発達障害と大きく関係があるという話もされました。現在の日本では、発達障害の子供が1割りかそれ以上いるということが現場を知る高橋教授の感想から言われ、そのように深刻な状況であることが大変ショックでした。

大阪の犯罪率が高いこともそこ要因があります。以前は大阪同様犯罪率が全国ワースト上位に挙がっていた埼玉は、親学の推進により少しずつ親が変わった成果が現れています。治安も良くなって来ており、大阪が見習うべき点があると思います。

子供の発達障害を食い止める為には早期の発見と対処が必要です。更なる悪化を予防するためにも脳科学的な研究を進めることが必要です。

親学をもっと多くの保護者に知ってもらい、子育てについてのアドバイスができる保育士を増やすことが今後の活動で重要になるとおしゃられました。

自分もまったく関心を持たないまま親になっていたら、自分の子供にどう接していただろうと思いました。もっと親としても準備が必要だと感じました。

文責:田中竜彦 (神谷インターン9期生)

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