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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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第二回 台湾視察  (平成22年8月24日~25日)

視察・研修報告 |

議員になって2回目の台湾視察に行ってきました。

前回の視察報告はこちら↓

台湾視察報告 号外.pdf – 173.9 KB

海外視察に公費負担は出ませんので、今回も自費での視察です。

しかし、実際はこうした自費での視察の方が数段気合が入ります!!

前回は個人視察でしたが、今回は龍馬プロジェクトのメンバーと一緒でしたので、仲間同士の意見交換もでき、
より有意義なものとなりました。

今回の視察目的は、

①国際社会で生き延びる若者の育成について

②日本と台湾の友好関係について

③中国との外交について

④今後の日本の国家ビジョンについて、関西広域での産業・観光政策について

です。

龍馬プロジェクトのメンバーには衆議員候補者も数名いるので、テーマは大きなものとなりましたが、グローバル化が進む中、
これからの地方自治には国際的な視野も欠かせないので、我々地方議員にとっても学びの多い研修となりました。

 

8月24日

13:30~ 関空発

16:00  台北到着

今回の視察団は、龍馬Pメンバー14名、神谷インターン2名の総勢16名。

関東、中部、関西、九州、沖縄から現地集合で台湾に集結し、レクチャーや意見交換を行いました。(希望していた学校視察は、
日程が合わず適いませんでした><)

17:00~ 黄昭堂氏、羅福全氏と懇談

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お二人の話の内容

台湾の近代化は日本の統治下になされた。その中でも最も大きいのが「教育」政策。

台湾の近代化やデモクラシーは日本より30年ほど遅れて発展している。しかし、
日本のデモクラシーも欧米と比べるとまだ未成熟の部分が目立つ。中国の民主化はまだまだ先になるだろう。

日本は資源がない国。今後も経済的な強さを維持していこうと思えば、
経済発展を続けていく中国と世界中の資源の争奪戦をしていくしかない。その戦略が必要。

日本には、外交面でももっとしっかりして欲しい。必要以上に「平和 平和」といいすぎる。小泉首相の時、
PKOでイージス船をインド洋に送ったが、その時アジアの国々で日本の再軍備を非難した国はない(中国くらいか)。
大東亜戦争時の歴史問題などを持ち出して、中国や韓国は騒ぐが、台湾は大人の対応を心がけている。
日本にクレームの声を上げようと思えば台湾も上げられるが、そんなことをしても将来的な発展につながらない。
当時の国際状況をしっかり考えないといけない。

教育で子供たちに、国や歴史への「誇り」を持たせないと、若者が夢をもてなくなってしまう。

今世紀、中国は大陸国家から海洋国家への発展を目指している。台湾が経済的、政治的に中国の勢力下に入ると、
中国の潜水艦の基地が台湾東岸にできるだろう。そうなると、太平洋における米軍の軍事的影響力が一気に弱まってしまう。
シーレーンの確保ができないと、日本の経済や国防がどうなるか、日本人はもっと危機感をもって考えるべき。

台湾と日本の間にも、尖閣諸島の問題など課題はあるが、対中国の経済、軍事の課題ではお互いの共通の利益が図れるとことが多い。
この利害はアメリカとの関係においても同じ。

日台の友好的な関係は台湾、日本お互いにっとって生命線となる。
今後龍馬プロジェクトメンバーのような若い世代の政治家ともっと交流をし、友好の架け橋となりたい。

19:00~ 懇親会

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民進党の国際部の若い女性スタッフ(李さん)も交えて、ざっくばらんな意見交換。

今後、台湾の若い政治家グループと龍馬プロジェクトメンバーで意見交換の機会を持つことを李さんと打合せ。

21:
00~ 同世代の邦人企業家を交え竜馬キャラバンIN台湾

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遅れて来た、関東、中部メンバーと合流し、邦人経営者のお話を聞き、台湾の経済状況などを教えて頂きました。

この場に、元葛飾区議の鈴木烈氏がきてくださり、日本の政治を海外からどのように見ているかなどをお話くださりました。
我々としては、何とか帰国して一緒にプロジェクトを進めていこうとお願いをしてきました。

8月25日

9:30~ 台湾団結連盟(台連)の皆さんと意見交換

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最初に黄昆輝党首席の講話をお聞きし、その後質疑応答。11月に選挙がある若手地方議員候補者とも意見交換をさせて頂きました。

講話のメインはECFAについてでした。不勉強で今回の視察に行くための事前の予習をするまで、
こうした問題にほとんど関心を払っていませんでした。

黄首席は、ECFAの締結過程の問題(国民投票をすべきという世論を押し切って国民党が強引に進めたことなど)
や今後予想される問題についてお話くださりました。

13億人の人口を持つ中国と2300万人の台湾が自由貿易をすることになれば、
いずれ台湾経済は中国に飲み込まれてしまい、政治的にも統合されるのは目に見えている。
中国にとって台湾の市場などはさほど大きな存在でない。目先の経済利益だけを考えて、国のビジョンを考えないのは危険だ。

この意見は日本にもそのままあてはまります。対中関係を考察するには、
今後台中関係をしっかり見ていくことが必須であると感じました。

 

台湾団結連盟2001年、李登輝を支持する国民党台湾本土派の立法委員
国会議員
が離党して結成。国家アイデンティティや対中関係では民進党と似た「台湾本土・主体性」を強調し、「台湾独立」
を主張する中道右派政党と見做されていた。
しかし、黄昆輝が主席になってからは、中道左派へと軸足を移し始めている。

ECFA=両岸経済協力枠組協議(海峡兩岸經濟合作架構協議、
Economic Cooperation Framework Agreement、略称ECFA)とは、中華民国
台湾)と中華人民共和国
中国)が締結した自由貿易協定
(FTA)である。日本では(中台)経済協力枠組み協定と呼ばれることもある。

協定では、石油化学製品や自動車部品、機械など539品目の台湾製品が、特恵関税または関税撤廃とされる。
これは台湾から中国への輸出額の16%にあたる。また、中国から台湾への輸出額の10.5%にあたる267品目の中国製品が、
関税撤廃または関税率引き下げとなる見込み。

 

11:00~ 台北市日本工商会の理事の皆さんと意見交換

*台北市日本工商会 HP http://www.japan.org.tw/newsite/2010/koushoukai/

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龍馬プロジェクトの活動内容を説明した後

台湾の経済、政治状況に加え、日本政府への期待などをお話いただきました。

台湾の経済については、やはりECFAの問題が大きく取上げられていました。現状で反対するつもりはないが、
将来的に台湾経済が飲み込まれてしまう可能性もあるとの意見でした。また、
日本企業と台湾企業が協力し中国大陸への進出をできるような形が取れればいいといった意見もお聞きしました。

政治状況としては、台湾政府の方針は明確で、法人税を25%から17%に引き下げ(シンガポールと同等、日本は41%)
や贈与税の10%引き下げなどで、外に逃げている資本を台湾に呼び込み、台湾をアジア経済のハブにすることを目指しているとの事。

また、政府への期待としては、政治家のトップセールスや日本の産業技術の保護、中小企業の海外進出支援などが挙げられました。

また、後半テーマが日本の教育問題に移りました。(ここでの意見は、私が10年前から訴えている内容、
つまり私が議員になった動機とほとんど同じものでした。)

今、日本の企業は若く優秀な外国人学生を採用し始めている。今後その流れは加速するだろう。
つまり日本の学生が外国人の学生と競わなくてはならない状況になってくる。

よって、今後ますます日本人学生が多国籍の上場企業に就職するのは難しくなってくる。

その中で日本の若者には、外に出て行く度胸と積極性、語学能力、
自分で考えて自分の意見をしっかりと発言できる思考力とディベート力が問われてくるだろう
、といったご意見でした。

突然無理にお願いした意見交換でありましたので、工商会の皆様も最初は距離をおいた発言をされていらっしゃいましたが、
2時間の会合が終わるときには「是非、日本の未来のために政治を立て直してください」といったエールを贈ってくださりました。

4月のドバイ視察の時もそうでしたが、現地の方の意見はかなり主観が入りますので、
その国を客観的に見ている現地邦人の方の生の声が、かなり勉強になります。当然、皆さんは外国に住み、
日本についても客観的にみておられる部分があり、そうしたご意見を聞くことは日本の政治を考える上で大いに参考になるのです。

15:00~ 李登輝元総統と意見交換

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前半は李登輝先生の講演で、リーダーの条件や台湾を改革してきた経験談などをお話いただきました。

質問に入る頃には、ほぼお約束の時間になっていたのですが、我々がたくさんの質問を持っていることを先生が知ると、
後の予定をずらして1時間質問に答えてくださりました。

我々若い世代の政治家には、「アジアの中のリーダーになる日本をつくれ!
」と熱いメッセージを頂きました。87歳のご高齢なのですが、
熱い思いを語られるときの目力には、圧倒されるものがありました。

その他、政策的な意見として

民主主義の基本は権力の交代制であるから、日本の政治家は政治家の間だけの根回しではなくしっかりとした政策や議論で、
政治を進めるべきである。

誠実さを基調とした武士精神を重んじたエリート教育をすべき。

推進力あるリーダーを作るために首相公選制を導入すべき

産業構造の改革のため道州制を導入すべき

といったお考えをお聞かせいただきました。

また、台湾人の対日意識として、

70代以上は大変親日的だが、戦後の反日教育を受けた50~60代はあまり日本に関心がない。しかし、
1987年に戒厳令を解除したあとの世代、つまり、40代以下は非常に親日的であるから、

是非この世代の台湾人と同世代の我々がしっかり交流して欲しいと。

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お話の最後に、

「台湾は日本の生命線である。よって、今後益々日本人と台湾人の連携が必要になってくるだろう。
文化交流を中心に心と心の絆を深めていくことが重要だ。」

とお言葉と記念品を頂き、記念撮影をして会を閉じました。

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19:00~ 打ち上げ

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全日程を終えて、全員で懇親会。李登輝さんとの会談でみんな緊張したのか、いつも以上にはじけていました。

その懇親会の席に、元練馬区議会議員の野崎たかお氏(http://www.nozakitakao.net/
が来られました。現在は台湾大学の学生と大学での講師をしておられます。

お話を聞けば、我々の同志、井坂信彦さんとも旧知の仲で、区議時代にはかなり破天荒な活動を繰り広げられたとの事でした。

地方政治を全力でやったものの、自分が思うほどの変革はおこせず、ある意味一旦見切りをつけて、
台湾の地で人生を仕切りなおされているとのことでした。

詳しくはかけませんが、野崎さんの思いに強い共感を覚えました。

明らかに日本の政治はおかしいところがたくさんあるのです。今回お会いした鈴木さん、野崎さんも数年前に同じことを感じ、
力の限り政治活動をされたんだと思います。

しかし、周りの政治家や支援者はその思いについてきてくれなかった、、、。

だから、ある意味の失望と怒りを覚え、政治の世界から離れられたんだと。

自分の身に置き換えても全く同じことが言えます。

私も現在、もてる資金と時間、労力のすべてをかけて政治活動をしています。

ですから、これで自分の周囲の政治すら変えられないようなら私も政治家を辞める覚悟です。

「政治家とは、引退することとみつけたり」の精神です。

しかし、応援してくれる人たちのためにそう簡単に辞めるわけにはいかない。

であれば、一人でもがくのではなく思いを共有する仲間を集め大きなうねりで政治をするしかない、と腹をくくって「龍馬プロジェクト」
などをやっているわけです。

私も鈴木さんや野崎さんのぶち当たった壁と同じ壁に当たっています。
そこで私は自分ひとりの力でなく仲間のチカラをかりてそれを乗り越えようとしています。

上手く行くかどうかは分かりませんが、全力壁を乗り越え、思いある優秀な先輩方が日本に戻って政治がやりたい、
と思ってもらえるような土壌を作っていきたい。

野崎さんの話を聞いて強くそう感じました。

野崎さんから教わったことを書いておきます。

***************

台湾に住んで感じることで、言葉は悪いが、台湾ほぼ中国の経済植民地になりつつある。
未来の日本の姿をみるようだ。

 中国人観光客がたくさん日本に来て、
お金を落としてくれるといつまでも喜んでいてはいけない。

 経済的に中国資本に依存すればするほど、中国と政治的交渉ができなくなる。
例えば首相が靖国参拝を強行し、中国政府のがへそを曲げ、中国人の日本観光をすべて禁止したらどうなるか。

 秋葉原や銀座、地方の観光地で働く人は、
中国政府でなく日本政府に抗議をするようになるだろう。台湾でも同じような事がすでに起きている(
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/303930/

 経済的に飼いならされた日本国民が中国政府の肩を持つようになるのである。

 一時的に中国資本を吸収するのはいいが、
それに依存し次の一手を打たないことは本当に危険だ。

 また、日本人はそろそろ「日本動物園」から、国際社会といジャングルに戻るべきだ。日本という折の中で変われていては、
自分の力で生きていけなくなる。

***************

まとめ

今回の視察を総括します。

台湾人は日本人が思っている以上に親日的であるが、日本人の多くがそのことを知らず、
また台湾の国際的な立場や歴史もほとんどの日本人が分かっていない。

親日的な台湾人は、日本が国際政治の場でアジアのリーダーとして発言、行動することを待望している。
特に我々40代以下の若手政治家への期待が大きい。

政権交代後、中国の台湾に対する経済的影響力は日増しに高まっている。ECFAなどがその象徴であり、
今後その影響がより政治の場面で出てくることが想定される。

このことは、日本にとっても他人事ではなく、台湾が政治的に中国の勢力下に入るようなことがあれば、
国防上日本にとっては由々しき事態となる(シーレーンをおさえられる)。それが、日本経済にとっても致命傷になることは間違いない。

台湾を中国から独立した状態で保っていくには、日本が経済的な力を取り戻し、経済的に台湾の良きパートナーとなっていくことが肝要。

それには、日本の政治が大きな変革を遂げ本当の意味でのアジアのリーダーを務めることと、
やはり教育によって諸外国の若者に負けない人材を育成していく事が急務。

 

私の課題

身の回りの仲間からどんどんと国政に上がってもらい、国際感覚をもった政治を行ってもらう支えとなること。

市議会議員として、世界で戦える人材を、地域の教育によって育成するモデルとシステムを作ること。

いつも言うことでありますが、政治家である以上、
国際感覚を持って国の未来のリスクを考え、国民市民の安全と生命、財産を守ることが必要
です。

この点は、地方議員も国会議員も関係ありません。

現状の政治状態は非常にまずい。代表選挙がどうのこうのといって騒いでいる場合ではない。

しかし、国内の中だけ見て、営利主義のメディアに踊らされていては、国民もおかしくなってしまいます。我々政治家もそうです。

ですから、私たち龍馬プロジェクトのメンバーは、これからも世界を見て回ります。

ドバイ、台湾ときましたので、次はシンガポールの視察を計画します。

 

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プロフィール写真

神谷宗幣 (かみや そうへい)イシキカイカク株式会社 代表取締役
参政党 事務局長
龍馬プロジェクト全国会 会長
予備自衛官 三等陸曹

昭和52年福井県生まれ。関西大学文学部・関西大学法科大学院卒業。
 21歳の時、1年間海外で生活し、外国の若者と交流する中で「日本人に生まれたことの感謝」と「思考停止している日本の若者への問題意識」に目覚める。20代は高校で「英語と世界史」を教え、実家の食品スーパーの倒産を経験することで、教育の課題と地方経済の疲弊を実感する。
政治からのアプローチで「日本の若者の意識を変える」ことを目指し、2007年に29歳で吹田市議会議員に初当選。市議は2期6年、吹田市議会の副議長まで務め、2012年議員辞職して衆議院議員選挙に自民党から挑戦するも落選。
 2013年に株式会社を設立。インターネットチャンネル「CGS」を開設し、政治や歴史、経済をテーマに毎日番組を配信し、若者の意識改革に努める。また、日本人の意識改革のための海外研修及びセミナーや、「CGS」とリンクした「歴史」「主権者教育」「キャリアデザイン」「政治のしくみ」などをテーマにした講演は、若い世代を中心に多くの支持を得ている。令和2年、「参政党」を結党し、世の中の仕組みやあり方を伝えながら、国民の政治参加を促している。

執筆活動も行い、主な著書として「大和魂に火をつけよう」(青林堂)「坂本龍馬に学ぶ「仲間をつくる力」(きずな出版)「子供たちに伝えたい「本当の日本」」(青林堂)などがある。