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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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自分でエサをとれるようにする教育

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昨日は、南出泉大津市議の紹介で、

滋慶学園グループの専門学校を視察してきました。

きっかけは私が海外を視察する中で、日本にももっと職業教育が必要であり、それぞれの分野のスペシャリストを敬う社会しなければ、学歴だけの選抜ではダメだ、と感じ、それを南出議員に伝えたことでした。

そこで、卒業生がほぼ100%就職していく専門学校があると聞き、視察をお願いしたわけです。

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滋慶学園グループは、1976年に歯科技工士の学校からスタートし、医療、福祉、音楽、動物、農業などの分野で現在全国に64の学校を運営し、35000人の学生を教えています。

不況になってからのこの20年で、専門学校のニーズは高まっているそうです。不況になれば、人件費の高い単純労働者はニーズがなくなりますから、賃金を得たければ、専門技術が必要になるというトレンドだと言う説明でした。

学校が教える内容は、ニッチなものですが、その分野の企業は入学した学生にすぐに企業ニーズを伝え、学生はある程度企業を絞り、そこに入るために勉強します。

例えばディズニーや自動車メーカーのデザインに入る人材の4~6割が実はこちらのグループの卒業生と聞いて驚きました。

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学費の平均は160万程度と高いですが、専門技術が身につき、就職もできるとなれば、皆さん借りてでも払われるそうです。

ちなみにアメリカで同種の専門学校にいくと学費は300~400万するそうです。

高い学費を取るのは、大学と違い補助金がでないからですが、しっかり成果を出せば、補助金がなくとも学校は運営できると自信をもって話しておられたのが印象的でした。

確かに補助金頼みで運営されている大学などは山ほどありますし、そこてわ質が高い教育がされているか、有意な学生がそだっているかは疑問です。

補助金は外国人にもあたりますし。

日本の教育予算の問題は、学生個人でなく、学校にお金がおりることだとおっしゃってました。

確かに学校に国がお金をだす仕組みだと、学校側は学生よりも国を見てしまいます。
お金をもっと学生個人に紐付ければ、学生の満足度が上がる気もします。

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学生の様子を聞くと、かつてはモチベーションの高いアウトロー的な学生が多かったが、
不況になってからは、安定志向の学生が増えたとのこと。

また、国際化と共に、専門性を身につけるだけでなく、英語でプレゼンテーションなどできなくては、仕事の幅が広がらなくなったので、英語はネイティブの指導が必修で、短期から長期の海外留学制度も完備したそうです。

さらに、どの分野もその道のプロから指導が受けれるように、学校ではプロを口説いて、学生指導をしてもらえるシステムをつくっているとのこと。

茶道の先生が日本人でないといけないように、ロックミュージックの先生はやはりアメリカ人でないといけない、というこだわりがちゃんとあるとのこと。

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学校には高等専修学校もあるとのことで、ダンスや音楽の勉強をする学生が毎年100人入学するそうです。

学生の多くが問題を抱えているそうですが、そんな学生たちにアイドルグループをやらせて、学ぶと同時に活動費は自分たちで稼がせるようです。

自分たちが社会に提供できる価値を体で覚えることが大切、という言葉が印象的でしたが、

単にアイドルと言っても、
お金をもらうには、
歌って、踊って、CDをつくり、舞台をつくって、チケットなどを売らねばなりません。

その全てを学生たちがやるわけですから、まさにOJTです。

また、アイドルや音楽を通して、学生が過去の自分と向き合い、再生していくミュージックセラピーのような現象もおきているとか。

聞くとひどい環境で育った学生も多いようで、自分と向き合い、克服するサポートにもなっていることがわかりまさした。

『出会った生徒は、どんな手をつかってでも、自分でご飯が食べれるように教育する』というポリシーがあると話しておられたのも印象的でした。

教育の最低限のミッションですが、公立学校など多くの学校ができていない課題です。

プレゼン頂いた先生は、
もはや知識の伝達はインターネットにまかせればいい、人間や先生は、学生が変わる機会になる事件や場をつくってやればいい、とおっしゃってましたが、私も大賛同です。

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大学顔負けの施設にも驚きましたが、
在学中にヒット曲などをつくり数千万稼ぐ学生もいるというのは衝撃でした。

自分でエサをとれる環境をつくることが大切だ、というポリシーに惚れました。

官僚や政治家もたくさん視察にこられるようですが、
大切なのは制度や箱物ではなく、
指導者の情熱や思想だと私は思います。

要望があり、今後上海などにも進出されるようです。
日本式が中国人をかえれますかね?

私は正直、専門学校をなめていたと、反省した一日でしたし、

同時に日本の教育の未来像が少し見えた気もしました。

今後も関わりを持って、ご指導頂きたいと思います。

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