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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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大阪の教育は輝くのか

ブログ |

取り組んでいた教育改革も今回の国政選挙の結果でどうなるだろう。

教育の問題は政争の具にしてはいけない。

変える勇気と育てる努力

今のままではいけないけれど、制度だけを変えてもどうもならない。

人員の配置から先生方のサポート、カリキュラムの精査など、時間を総合的に取り組んでいかなければ、

以下のような現状は、短期の改革ではどうしてもかわらない。

一過性のものに終わらないことを願います。

【大阪の教育は輝くのか(1)】路上の注射器、わいせつDVD露店の脇を登校する児童…改革・西成の教育現場

2012.11.10 07:00 産経

「ほら、ありましたよ」
 10月下旬の午前7時半すぎ。ひんやりした空気が漂う大阪市西成区の小学校前で、ジャージーに長靴姿の校長が指差した先に注射器が落ちていた。「覚醒剤を打った跡ですわ。児童が拾ってくることもあるんで登校前に掃除するんですよ」
ごみ掃除と安否確認
 教員の朝は正門周辺の歩道の清掃から始まる。空き缶、吸い殻、段ボールに布団…。あらゆるゴミのほか人糞(じんぷん)が落ちていることもある。「夏は臭いがひどくてね」。校長はそう言って歩道に水をまき、犬の糞をほうきで押し流した。
 正門の斜め前にある露店には、中古のわいせつDVDが所狭しと並べられ、日雇い仕事にあぶれたのだろうか、50歳ぐらいの男性がカップ酒を片手に品定めをしている。そのすぐ脇を児童が笑顔で登校してきた。
 朝礼が始まっても登校してこない児童の自宅には、教員が出向く。保護者から事前に連絡がない場合は、安否確認も兼ねて迎えに行かなければならない。「いつでも出動できるように、こんな格好してるんですわ」。ジャージー姿の校長が笑った。
突出する生活保護
 日雇い労働者の街「あいりん地区」を抱える西成区は、大阪市の中でも生活保護受給率や65歳以上の高齢者数が突出している。市や区の統計によると、生活保護受給者の割合(今年8月現在)は、市全体の「18人に1人」に対し、西成区は「4人に1人」。高齢化率(昨年10月現在)は34・8%で、市平均(22・8%)を大きく上回る。
 「西成が変われば大阪が変わる」。西成を大阪全体の縮図ととらえる橋下徹大阪市長は、そうした信念から「西成特区構想」を掲げ、13回の有識者会議を経て10月に報告書がまとめられた。
理想と現実のはざま
 西成区を文教地区化し、子育て世帯の流入を図る-。構想では、現役世代を意識した施策を強化し、教育振興策の充実に最も力を入れている。文教地区計画はその一環で、最大の目玉となるのが、平成27年度開校予定の小中一貫校の設置。橋下市長は、私立進学校並みに教育内容を充実させた「スーパー校」を目指すと訴える。
 だが、目の前には厳しい現実がある。同区のある教員がため息交じりにつぶやく。「スーパー校なんて絵空事。西成では学校に連れてくるところから始めなあかん。市長はそんな現実を知ってるんやろうか」

 橋下市長や松井一郎大阪府知事が力を入れる大阪の教育改革。「グレートリセット」の高い理念を掲げるが、現場との間には温度差も見受けられる。両氏が掲げる目玉施策をめぐる課題を見つめる。

【大阪の教育は輝くのか(2)】子に連鎖する親の自堕落と貧困…教育に即効性「難しい」
2012.11.10 07:30

「おーい、おるか?」。
 大阪市西成区の市立小学校に勤務する男性教員は、登校してこない6年生の男子児童(12)の自宅マンションに迎えに行った。
 ドアの向こうに何度も呼びかけたが反応がない。鍵はかかっておらず、恐る恐る部屋に入ると異臭が鼻を突いた。食卓があるかどうかも分からないほどゴミが散乱。流し台には使った食器がそのまま、食べ残しとともに積まれていた。
「あんた、VIP待遇やな」
 「どこにおるんや?」
 リビングの奥の和室に、洗濯物が取り込んだままの状態で60センチぐらいの高さに積まれている。再び呼びかけると、その山がわずかに動いた。教員が洗濯物をかき分けると、パジャマ姿の男児の姿があった。夜、子供を残して遊びに出て行ったままなのだろうか、両親の姿はなかった。
 教員が出勤時、児童宅に立ち寄って連れて行くことも多い。そうしないと、不登校や、遅刻を繰り返す児童が全校の3分の1を占めるという。校長は、玄関から出てきた母親が、家の中の子供に掛けた一言に言葉を失った。「校長先生が迎えに来たで。あんた、VIP待遇やな」
文教地区に?
 橋下徹市長が掲げる「西成特区構想」で前面に打ち立てられた教育振興策。平成27年春の開校を目指す市立小中一貫校のほか、大学の誘致と大規模留学生会館の設置も柱となる。
 学生を呼び込むことで街の活性化につなげる。西成特区構想有識者座談会の座長で市特別顧問の鈴木亘(わたる)学習院大教授は「文教地区になることによる西成のイメージアップ効果は絶大で、地元の小中学校教育のモチベーションも高まる」とみている。
 小中一貫校は、萩ノ茶屋、弘治(こうじ)、今宮の3小学校と今宮中が対象。橋下市長肝いりの「スーパー校」として、市全域から入学可能とし、外国語教育や国際教育にも力を入れる計画だ。
親が受けてきた教育は…
 しかし、地域の実情をよく知る学校関係者は「そもそも学力的に無理がある。低学年から塾に行っていた他区の子と、習熟度が低い子が少なくない地元の子供を一緒にすれば、二極化して学級運営は不可能になる」と否定的だ。
 西成区のある小学校では生活保護世帯が50%を超える。学校関係者は「教育以前に家庭に問題があるケースが多い」と訴える。不正受給が疑われる家庭もあり、自堕落な生活を送る親の姿を見て育った子供は明らかに勤勉意欲が低いという。「問題の根底にあるのは、親自身が受けてきた教育だ。それが子供に鏡写しにされ、貧困が連鎖していく」。宿題すらできない家庭環境の子供も多く、担任らがほぼ毎日、面倒を見ている学校もある。
「教育に王道なし」
 橋下市長が“先駆的”と胸を張る教育改革。だが、教育現場から離れた場所で議論され、次々と方針が決まっていく流れに、現場は戸惑いを隠せない。理想と現実の埋めがたいギャップが横たわる。
 ある教員は、学力向上を目指す橋下市長の姿勢に一定の理解を示

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